サイボウズ Office

サイボウズ Office

Case Study 社会福祉法人みやび

「保育士の働きやすさ」と「保育の質」を同時に叶える サイボウズ Office活用術

業種
官公庁・教育業
利用規模
6人~50人
よく使う機能
スケジュール・メッセージ・ワークフロー
掲載日
2019.09.06

社会福祉法人みやびは保育園業界のベンチャー企業だ。2013年4月に同社初の認可保育園を立ち上げ後、同様の施設を次々と開園。インタビューを実施した2019年には大阪市と生駒市で11施設を運営していた。「保育園を1園だけ経営する」という社会福祉法人が8割の中、1年1施設のペースで開園している勢いのある法人である。そんな同園の業務効率化の柱がサイボウズ Officeということで、理事長の中畑氏に詳しい活用法をうかがった。

導入背景

保育の質を上げたい。
保育士の労働環境を整えたい。

理事長の中畑氏が業務効率化に投資する理由は熱意に満ちている。「保育の質を上げるため」と「保育士や職員の労働環境をよりよくするため」だ。そのためにバックオフィス業務や人がやらなくても良い業務は徹底的に効率化する。

同園では業務効率化のためにサイボウズ Officeに加え、あらゆるシーンで多種多様なツールが利用されている。例えば、保育士の労働時間を長くしている大きな要因「園児の支援計画」の作成は、iPadによる音声入力で行われる。入力の手間が省けるため、作成が終わらなかった書類を家に持ち帰って作業する必要はない。保護者への日々の諸連絡も同様の入力法なので連絡帳を書く作業も存在しない。

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「保育の質を上げ、働きやすい職場を作ることが業務効率化に投資する理由」と話す中畑氏

会計システムもクラウド化されており事務効率が非常に良い。「園のお便り」は紙配布の時は印刷に丸1日もかかっていたが、現在はウェブ配信なので一瞬で完了する。これまで保育士がしていた掃除もロボット掃除機が行うようになった。

そんな同氏がグループウェアの必要性を感じたのは、保育士が園児に関する申し送りをLINEでしているのを見たときだった。こうした情報共有は大切だ。しかしプライベートのツールを仕事に使うことに違和感を感じたため、グループウェアの導入が検討された。

「サイボウズ Officeは以前の職場でも利用していたし、メジャーなツールだという印象があった。時代的には専用サーバーを持つよりもクラウドが使いやすいはずだ。また、インターフェースが分かりやすいのでITに縁遠い保育園の職員にも馴染めるかもしれない。とは言え、使ってみないと使い勝手は分からないものだ。サイボウズ Office は値段がリーズナブルなので、駄目ならやめることもできる。」中畑氏はそう考えてサイボウズ Officeを導入した。

サイボウズ Office導入当初に想定していた利用方法は「メッセージ」のみだった。しかし、導入から2年半後の2019年には、11もの保育園をつなぐコミュニケーションツールとなり、購買や押印申請のための申請業務など、様々な用途で活用されるようになった。今では中畑氏は「サイボウズ Officeは使い方の工夫次第で何でもできる」と考えている。ここからはアイデアあふれる活用法を紹介する。

利用方法1

「スケジュール」+「アンケート機能」で日程調整の手間を大幅にカット

同社が「スケジュール」を使うにあたり大事にしているのは運用ルール。例えば、「社内調整に時間をかけてはいけない」という考えから、カレンダーが空欄であれば必要に応じて他者が予定を入れて良いことになっている。理事長の時間も本人の確認なしで確保できる。導入当初は上長の予定を勝手に埋めることに抵抗を感じ「予定を入れても良いですか?」と確認の電話が入るなど戸惑いもあったが次第に定着した。

また、同園では「スケジュール」に搭載されている「アンケート機能」で日程調整をしている。社内調整の手間を大幅にカットできる!と積極的に利用中だ。「アンケート機能で多数決を取って日にちを決めると、投票が多かった日にちで予定を登録することができます。登録画面で時間を入力すると、その日にちに投票したメンバーのスケジュールをまとめて登録できます。必要な施設(会議室や保育園バスなど)があれば一緒に予約しています。これは便利ですね、一押しの機能です。」と中畑氏。

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これだけではない。社会福祉法人の業務で大きなウエイトを占める書類作成業務を期日通りに進行するために、「予定メニュー」を工夫してタスク管理をしている。予定メニューはタスクの進捗別に色分け設定がされている。未着手は赤、着手中は緑、終了は青だ。これで各書類の進行状況をカレンダー上で確認できるようになった。

この使い方を始める前は、書類作成のタスク管理は担当者任せで進捗は可視化されていなかった。中にはボリュームのある書類もあり、作成に1週間かかる作業の存在に、期日の2日前に気づいてしまうこともあった。このような問題を仕組みで解決しようと始めたタスク管理法だ。

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利用方法2

「考え抜かれたワークフロー」が手間と時間を大幅に削減

同社の申請は何事も「ワークフロー」機能で行われる。よく使われるのは購買、振込、採用、押印などに関する申請だ。1日に10回は何らかの申請が上がり決裁は即日行われる。

素早い決裁を可能にしているのは「細かくカスタマイズされた申請フォーマット」だ。例えば購買申請は、決裁者の選択・利用目的の登録・消費税の自動計算など高度に設定されている。押印申請の仕組みも実用的で、原本提出なのか添付書類を印刷して押印すれば良いのかなど、申請者に質問しなくても処理方法が細部まで分かる。決裁に必要な情報は「ワークフロー」を見れば全て把握できるように丁寧に作り込んでいるのである。

「組織が大きくなると社内調整に時間がかかるものですが、印鑑の稟議などに時間をかけてはいけないと考えています。「ワークフロー」のフォーマット作りに私は3時間使ったかもしれませんが、後の業務がずっと効率化されました。だから職員には導入に時間をかけよう!といつも言っています。」と中畑氏。

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利用方法3

「メッセージ」で細かくスレッドをわけて
プロジェクトを進行

中畑氏が最も効果を感じているサイボウズ Officeの使い方は「メッセージ」で目的別にグループチャットを作り、色々なプロジェクトを進行するというもの。この使い方のことを同社では保育園の名前「ソフィア」とチャットツールのLINEをかけ合わせた名称「ソフィアLINE」と呼んでいる。まるでLINEのグループチャットのように会話感覚でプロジェクトを進行できるためだ。

グループチャット形式で仕事を進めると、業務の流れがとても分かりやすい。それぞれの「メッセージグループ」に時系列でプロジェクトの情報がたまっていく。会話だけでなく書類や写真の情報も蓄積されており、こうした履歴は次年度の参考資料としても活用される。

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中畑氏が最も効果を感じているサイボウズ Officeの活用法は、「メッセージ」機能を利用したプロジェクト進行の仕組み、通称「ソフィアLINE」

この使い方で運用されているプロジェクトは多岐にわたる。給食会議、運動会の企画、補助金申請、採用活動、保育園の入札事業など、短期間のものから数年にまたがる長期間のものまで様々だ。

例えば、保育園の公募に応募するための大量の書類作りでは、書類番号ごとに担当者を決めて、完成書類を「メッセージ」に次々とアップする。修正に関する会話も同スレッド内で行われる。書類が完成したらまとめて印刷して、スピーディーにプロジェクトが終了する。

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導入効果

保育士の「働きやすさ」と「保育の質」を同時に達成

そんな同社の導入効果は多数ある。まず、事務スタッフの業務効率が大幅に向上したことだ。180人も職員のいる組織で事務専任者は2人のみ。給与計算や社会保険の手続も自前であり、本来は7~8人で担当するような仕事量をこの人数で処理できているという。「これはサイボウズ OfficeをはじめとしたITによる業務効率化の力ですね!」と中畑氏は満足そうだ。

また各保育園の園長同士は会う機会は少ないが仲がよく派閥もない。園の全ての情報をサイボウズ Officeでオープンにしているので安心して仕事ができることと、サイボウズ Office上でコミュニケーションが取れるため疎外感を感じないためだ。

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「サイボウズ Officeは保育の質を上げ、職員が働きやすい環境をつくるために役立っている。」と中畑氏

保育士にとって働きやすい職場になっていることも導入効果だ。同園の保育士の1日の時間配分は「保育に力を注ぐ時間」は増えている一方で「書類作成にかける時間」など保育以外の仕事は減っている。給料は業界の中では高い一方で、離職率は約5%と平均の半分の低さだ。一般的には、保育士は子供が大好きなのに、多大な事務仕事に押し潰されて辞めてしまうケースが後を絶たないという。そんな中での高い職場定着率である。

「うちでは、保育士の面接ではバックオフィスの効率化について語り、実際の保育に時間を多く使える保育園であることをアピールします。このおかげで直接雇用できる保育士が多く、人材紹介料などがあまりかかりません。サイボウズ OfficeなどIT化への投資は安いものなのです。」と中畑氏。

そんな中畑氏が考えるサイボウズ Office社内浸透のコツは3つある。1つ目は社内の文化(運用ルール)を作ること。例えば大切な情報が埋もれてしまう原因になるので「ありがとうございます。」など社交辞令を一切禁止するといったことだ。2つ目はトップダウン。新しいツールが嫌な人はいるものだが、最初は不満に思っていても、やっているうちに楽さに気づいて活用が進んでいく。

3つ目は導入に時間を割くことだ。「うちでは、余計なことに時間をかけない体質でいたいので、サイボウズ Officeの仕組みを作るときは必死で作ります。導入に時間を割くと後で時間を取り返せますが、最初を怠ると後も非効率なままです。仕組みづくりに時間をかけることがとても大切です。」中畑氏はこの言葉に力をこめた。

今後は、始めたばかりの「スケジュール」を活用したタスク管理を定着させ、書類業務をさらに効率的にしたいとのこと。これからもサイボウズ Officeのユニークな活用法が次々と登場し、本質的な仕事にあてる時間をさらに増やしていく同社の姿が見えるような取材だった。

気になる機能をさっそく
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「サイボウズ Office」 導入事例

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